short story
□つなぐ。
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「ねー、ユウ」
「ん?」
「寒いなあ」
「せやなあ」
ある冬の日。
二人は手を繋いで。
「あー、早く春にならんかな」
「なに、なってほしいんか?」
「うん、あったかいやんかあ」
「俺はずっとこのままでもいいもん」
「え、なんでー?」
「マナとくっついとけるやん」
彼氏は赤い鼻を恥ずかしそうに掻いて。
彼女は赤い頬をさらに赤くして。
「なっ、なにゆうてんのよ」
「照れんなよな」
彼氏は無言のままで。
手を繋いだまま上着のポケットへ入れた。
「これであったかいやろ」