再誕の図書館

□王の盾
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王の盾に入ってしばらく経った
ミリッツァ様に陣術を教えてもらったり、サレ様に訓練に付き合ってもらったりした
昔は自分で何もしなかったからな・・・全部皆がやってくれたし

「フォン、腕を上げましたね」

「お褒めいただきありがとうございます、ワルトゥ様」

王の盾の人にも、結構知り合いが出来た
ユージーン隊長も仲良くしてくれるし、アガーテ姫ともお茶をさせていただいている
トーマは、まあ、そんなに仲良くない
王の盾の人たちは優しい人が多かった。
廊下で出会ったときも訓練に誘ってくれる人や、労いの言葉をかけてくれる人
今までこんな人たちに出会ったことは無く、
なんだか新鮮だった

「フォンー!手合わせしてくれよ」

「わかりました」

廊下を歩いていると、よく王の盾の兵士の人に誘われた
大体の人が槍を持ってるので、結構訓練になる。
・・・まあ、大体は圧勝してしまい、医務室が忙しくなるのだが・・・。

「すみませんドクター、またです」

兵士をつれて、ドクターバースのいる医務室にやってきた
ドクターは入ってきた僕を見てふっと微笑む

「今日は切り傷だけだけでよかったね。にしても・・・フォンはよく傷一つつかないね」

「なんででしょうね?」

「ははは、それだけフォンが強いということだね」

はははっと兵士とドクターが笑う
強いのかな・・・僕って。



「フォンは訓練を頑張ってるみたいね」

アガーテ姫は飲んでいた紅茶のカップを皿に置くと、
微笑みながら言った

「はい、サレ様は訓練に付き合ってくれますし、時々ユージーン隊長も付き合ってくれるんですよ」

「そうなの?」

「はい、槍術を学んでみないかとよく言われるんですが・・・」

「ですが?」

「槍が重くて持てないんです」

僕の発言を聞いて、アガーテ姫は口元を押さえ、
俯き肩を振るわせる

「アガーテ様?どうなされました?」

「い、いや・・・なんでも・・・。楽しませてもらえたわ」

白いレースのついたハンカチで目元をぬぐいながら、
アガーテ姫は微笑んだ
なんだったんだろう・・・。
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