再誕の図書館

□出会い
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彼女との出会いのきっかけは
ユージーン隊長の一言だ

「任務?」

「ああ、この地図の場所に行ってほしい」

はいこれ、とユージーン隊長に地図を渡された

「ここにフォルスの反応があったらしくてな、原因を調べてきてほしい。手が空いているのはお前しかいないんだ」

「わかりましたよ、それじゃ、行ってきます」

正直行きたくないんだけど・・・任務だし、いいか・・・。
フォルス能力者だったら連れて帰らなきゃなー・・・と、
僕は地図の場所に向かった

地図の場所に行ってみると、そこは洞窟だった
真っ暗で光が一切無い
フォルスキューブを松明の代わりにして、中に進んだ

奥に進んでいくと、フォルスキューブが反応を示した
くるくると回りだす
足を進めると、奥に光が見えた、天井が無い場所なんだろうか

光の部屋に入り、フォルスキューブを消す
部屋にあるのは光を発する球体、
それに照らされている大きな水晶と、文字の刻まれた石碑だけだった
水晶の中には白いワンピースを着た、右目に包帯を巻き、首にしているチョーカーには白い石、
両腕につけている腕輪には紫と黒の石、猫の耳に見えるような髪留めと思わしきものには青い石と緑の石がはめてある
黒い髪の少女が眠っていた

【聖なる姫】

石碑に書かれているのはそれだけ

そっと水晶に触れてみると、ピシッという音と共にひびが入り、
水晶が砕けた

水晶から開放された少女はゆっくりと瞼を開ける
少女の左目は赤く、光が無く、無機質だった

「・・・僕の封印を解いたのはあなたですか」

鈴のように綺麗な、静かな声で
少女は僕に問いかけた

「そうだよ、僕はサレ。君は?」

「フォン」

フォンは名を名乗ると、
ぱんぱんと白いワンピースを叩いた

「サレ様は何ゆえ僕の封印を解いたのでしょうか」

「フォルスの反応があるって言われたからここに来て、水晶があったから触ってみたら割れただけだよ」

別に意図して封印とやらを解いたわけじゃないし・・・。
それを聞いたフォンは「そうですか」と答える

「この明かりは僕のフォルスです。
反応があって当然でしょう」

フォンがすっと右手を上げると、
光を発していた玉が消え、辺りは暗闇に包まれる。
再び光を発する玉が現れ、フォンは
「ご理解いただけましたか」と僕を見た

「フォルス能力者を保護するのも仕事だからさ、一緒に来てもらってもいいかな」

「はい」

僕が歩き出すと、フォンも歩き出す
光を発していた球体は僕のすぐ前を進み始める
おかげで帰りはフォルスキューブを出さなくて済んだ


「・・・・・・」

フォンはただ何も言わず、
辺りの風景を凝視していた。
そのときの彼女の表情は、見知らぬ風景に戸惑っているように見えた

バルカまで連れて行って、ユージーン隊長に預ければそれで任務は終わる
それからはまあ、あまり関わることは無いだろうから、
別にどうだっていいや
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