悪霊の図書館

□旧校舎怪談1
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リンが怪我をして、カメラが壊れて、
カメラを弁償できないから今朝出会った女の子は助手をやることになったらしい
あれって保険がかかってるから別に大丈夫な気もするんだけど、まあいいか

「これ全部使うの!?」

「必要なだけ全部。それを運んでくれ」

「次は壊さないように気をつけてね」

「わかってまーす」

元気よく返事する彼女にくすっと笑うと、
ナルに睨まれた
運ぶっての・・・。

「僕は機材を取ってくるから二人は棚を組み立ててくれ」

「りょーかい、いってらっしゃい」

組み立てながら言うと、ナルは部屋を出て行く
女の子も何かブツブツ言いながら組み立てていた

「あ、言い忘れてたけど僕は仙姫檜扇、よろしくね」

「あ、谷山麻衣です、よろしくおねがいします!」

麻衣ちゃんはペコリを頭を下げる
棚を組み立て終わり、麻衣ちゃんがナルの持ってきた機材を見て質問すると、
ナルは馬鹿にしたような目で麻衣ちゃんを見る

「これはテープレコーダーだよ、麻衣ちゃん、さっき運んでたマイクとかでラップ音とか調べるの。
これは赤外線カメラでこっちは超好感度カメラ、暗いところの撮影に使う奴ね
これはサーモ・グラフィー、一応説明しておくと温度を映して色で分ける奴で、温かい場所は暖色の赤とかオレンジ、
寒いところは寒色とか中性色の青とか紫に変わるの、霊が現れた場所は温度が低くなるの」

「へえ・・・」

僕が説明すると、
麻衣ちゃんは感心したように頷く

「なんでこの年でそんなことやってんの?」

「必要とされているから。それに僕達が解決できなかった事件はない」

「有能なんだね。私とは大違い」

麻衣ちゃんは頬を引き攣らせる
かわいいなぁ・・・。

「すごいんだねぇ。顔がよくてしかも有能で」

するとナルが麻衣ちゃんに聞いた

「・・・僕の顔、いいと思うのか?」

「いいとおもうよー?僕は」

「趣味は悪くないな」

それを見た麻衣ちゃんが僕に小声で言う

「(あの人のナルシーっぷり凄いですね、ナルシストのナルってあだ名でいいと思うんですけど)」

「(ぷ・・・っ、いいかも、そう呼んであげたら?)」

ナルに頼まれて教室ごとに温度を測りに行った、
こっそり髪留めを外して適当な場所においておく

「ああそうだ麻衣ちゃん、僕のことはベルって呼んでくれていいよ、皆からそう呼ばれてるし」

「そうなんですか、じゃあ私も麻衣って呼んでください!」

「敬語はいいよー、麻衣。」

僕が測り、麻衣が書き込む
全ての教室を測り終えてから、髪留めをつけた
霊は全くいなかったけど・・・一階の奥の部屋が若干低いかな

「教室ごとに測ってきたよ」

そういいながら僕はナルに結果のプリントを渡す

「・・・異常はないな、特に低い場所もない。一階の奥の部屋が低いが問題になる程度じゃない」

「じゃあ霊はいないってこと?」

「まだ分からない。例はシャイだから部外者が来れば心霊現象は一時的に治まるのが普通なんだ」

ナルに言われて、麻衣は頬を膨らませる

「まあまあ落ち着いて」

麻衣を諌めると、ナルが僕らを見て言う

「一階と三階の廊下に4台、玄関に1台暗視カメラを置いてみよう」

「りょーかい、それじゃあ置きに行こうか」

「はーい」
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