Novels.

□好き、怖い、矛盾。
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校門前。




「ゆーーーーーーーーずーーーーーーーーーはぁーーーーーーーーっ」





ドドドドドドドドド...








「っちゃーーーーーーーーーーーーんっっっ!!!!!!!!!!」


「うひゃああぁぁあぁああぁぁぁ!!!!!!?」






突如結衣が後ろから抱きついた。





ってか、心臓止まるんですけど!!?






「びっくりしたあぁ…。
もー…、結衣ったらやめてよ、心臓止まっちゃうじゃん」



「はははは、ごめんごめん。
って、アンタ随分大荷物ねー…。
家出でもするの?」




ボクのバッグが2つあり、一個の大きさが結構あるのでなかなかに周囲の目が痛かった。



「ううん、今日裕也の家に泊まりに行くの。」



「ふぅん…毎回毎回飽きないわねぇ」




ため息混じりに結衣が言う。




「違うの。今回は一方的で…。
ボクは明日バイトなんだけど…」



少し落ち込み気味にボクは話してた。


黙って聞いていた結衣が後ろからやってきた裕也に気付く。




「ぁ、田口君」



「? あぁ、結衣か。
早く学校入れよ、時間あと少しだぜ?」




特にボクに声をかけずに裕也は時計を指差す。



「わかってるよ。
ほら柚、行こ」



「ぅ、うん、」





横目で裕也を見るも、
この視線に裕也は気づかずそのまま学校へ入ってしまう。



まるで喧嘩したあの日みたいだ。



「…田口君、今日不機嫌ね」



「…朝からだよ」




心配しながら聞いてきた結衣に、
自然とため息混じりに話していた自分がいた。




何かが変わるような、
そんな感覚が、
今も心の中を駆け回っていた。





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