Novels.
□半年とキミとボクの思考。
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「―――…は?バイト?」
ざわつく教室の中、裕也だけがキョトンとした顔で立ち尽くす。
「うん。普通にコンビニの仕事なんだけどさ、お小遣い稼ぎにと思って。」
「小遣い稼ぎにって…親からもらってないのか?」
裕也には親から毎月何万程度のお金を仕送りされている(らしい)。
そんな裕也はバイトという言葉に何か違う意味を持っているようだ。
「もらってるよ?もらってるけど、いつまでももらってばかりじゃいけないと思うの。
"いつまでもあると思うな親と金"って言うでしょ?
だから、貯金とか貯めるのに丁度いいかなって」
手でジェスチャーを入れつつ裕也に話をする。
そのときの裕也は何故か顔がひきつっていた気がする。
「バイトって、なんで?
今から柚がする必要あんの?」
「ぇ、いや、必要ってわけじゃないけど…
……裕也?どうしたの?」
言うや否や、裕也がボクの机を叩いた。
バンッ!!!!と鋭い音が教室内に響き渡る。
瞬時にざわついていた教室内が静かになり、周りの視線を集めたのは言うまでもない。
「…俺は反対だから。」
冷ややかな目付きで言われる。
そのまま裕也は鞄を持って教室を出ていった。
廊下で先生と出くわしたのだろう、
先生からの質問に猫かぶりな声で、「体調不良なんで抜けます」と言うのが聞こえた。
遠くで友達と話していた友達、神矢結衣がボクの元へやってきた。
因みに彼女がボクの初恋にパーティーを開いた本人である。
「柚、田口君となんかあったの?」
「うん…ちょっと……ね、」
言葉を濁らせるボクに、これ以上結衣が口出ししてくることはなかった。
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