Novels.

□突然のハロー。
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『突然のハロー』




ボクが初めてキミと出会ったのは

去年の春、大学の入学式の時だった。




男女別で座っていたボクは、
目の前で隣の男子としゃべっていたキミを見た。



横顔ひとつで、心が揺れた。







そう、「ひとめぼれ」







これまでボクは、「ひとめぼれ」というものをしたことがなかった。


もともと男性というものに興味がなく、
高校は友達と一緒に女子校へ行った。



かっこいい先生がいると周りの女子はすごくはしゃいでいた。




正直、どこがいいのかわからなかった。




こういう過去を持っているから、
友達には「アンタに好きな人ができたら絶対天変地異が起きるわね。」と言われたこともある。





そんなボクが恋をした。




これを知った友達は、派手なパーティーを開いた。





なんとまぁ大袈裟な(笑)



そんなふうに友達が騒ぎ立てるものだから、
ボクの片想いはそんなに大きくもないこの学校に瞬く間に広まった。







こうしてボクは、見事友達の術中にハマったのだ。





いつしかボクは、キミとメールをするようになった。




「田口裕也。よろしく。」




そう言って、紙に書いたメアドを渡された。




「知ってると思うけど、川崎柚葉。これからよろしくね」




こんな文を送ってメールを始めた記憶がある。




それからしばらく、他愛もないメールをして、学校でも友達を含めて笑っていた。





そんなある日。









……告られた。




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