永遠に
□天と呼べ
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希「どう思います?風門寺先生」
首を傾げる動きに合わせて、翼が大好きな黒髪が揺れる
悟郎「うーん、まぁ、ナルナルがそう言うのも無理ないかな」
希「ですよねぇ」
苦笑を零した後、紅茶を飲む
希「わかってはいるんですけど」
悟郎「ってか、もぅ様付けしなくてもいいんじゃないの?恋人なんだし」
希「確かに俺と天十郎様は恋人です、だけど、それと同時に主君と従者でもあります」
胸元に下げたクロスをそっと撫でる
希「天十郎様は昔から俺と千の事を幼馴染として扱ってくれます、子供のうちはそれでもよかった
でも、大きくなってくると、立場を自覚するようになると、いい顔はされません」
悟郎「希ちゃん」
希「恋人であると共に従者でありたいと望んだのは俺です、ただでさえ、我侭を言ったのに、これ以上は天十郎様の評判にも関わりますから」
翼が大好きな黒い瞳を細める
希「ごめんなさい、折角、話を聞いてもらったのに、こんな話で」
悟郎「ううん」
本当に聡く、賢い子だ、自分や相手の立場を理解した上で最善の方法を選択している
悟郎「(問題は自分1人で解決しようとする所だね)」
怒っていた翼の気持ちが少しわかった気がした