永久に

□9月
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 希「これでよしっと」


 鏡の中に映る自分が着ているのは水色の地に扇が描かれている振袖に白い帯、髪は金色の玉簪で纏め上げてある


 希「ほんと、馬鹿みたいだな、俺」


 こんな日に着る着物なのに、自然と手を伸ばすのはあの人の色で


 希「叶わないなんてわかってただろ?」


 大切にされてるのは知ってる、俺だって大切に思ってる

 だけど、それは決して、俺が想っている気持ちと同じじゃない

 あの人にとって、俺はただの幼馴染


 希「・・・ほんと、馬鹿みてぇ」


 紅を塗った唇が自嘲するように歪んだ
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