永久に

□夏祭り
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 アラタ「あれ?ナイトちゃんは一緒じゃなかったの?」

 天十郎「後で来るってさ」


 待ち合わせ場所に訪れたのは私服姿の天ちゃんとちぃちゃんだけだった


 八雲「仕度に時間がかかってるんじゃない?女の子だもんね」

 千聖「希が浴衣を着るとは思えんが」


 制服ですら、動きづらいからって女子用じゃなくて男子用を着ているナイトちゃんの事だから、ちぃちゃんの意見は最もだ


 希「すみません、遅れてしまって」

 天十郎「い、や」


 聞き慣れた静かな声に振り返った俺達は皆して呆然としてしまった

 そこには山頂での補講合宿や無人島で見たようなカジュアルな格好じゃなくて、浴衣を着たナイトちゃんがいたからだ


 八雲「のんちゃん、可愛い〜っ」

 希「そうですか?なら、いいんですけど」


 華奢な身体を包む深い青色の地にあやめの花が描いてある浴衣を薄い水色の帯を締めていて

 普段は下ろしている髪も簪で纏め上げられている


 アラタ「いつも綺麗だけど、今日は一段と綺麗だよ」

 希「あ、ありがとうございます」

 千聖「小さい頃以来だな、浴衣姿を見たのは」


 居心地悪そうにそわそわしていたが、驚いたように呟くちぃちゃんを睨みつける


 希「千が沙耶香に花火大会に行くとか言うから、着る事になったんだよ」

 千聖「・・・すまん」

 アラタ「でも、本当に綺麗だよね、ナイトちゃん」


 今まで、ずっと固まったままだった天ちゃんの肩に手を置きながら言うと途端に顔が真っ赤に染まった


 天十郎「お、おう、そう、だな」

 希「ありがとうございます、天十郎様」


 ふわりと微笑んだナイトちゃんの表情は軽くメイクもしてあるらしく、いつもより女の子っぽかった
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