Es liebt die ganze Zeit
□入学
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騒がしい教室の片隅で本を読んでいると突然、外から爆発の音が聞こえた
拓実「(よくやるよなぁ、日向も)」
俺にしてみれば、ここを出たがる日向の気持ちは全くわからないが
拓実「(まぁ、わからなくて当然か)」
ある奴は3歳という幼い頃に
ある奴は半ば無理やりに
家族と引き離されて、それまであった自由を奪われて、学園にやってくる
だけど、俺は違う
物心がつく前から学園で育った俺は外を知らない
父さんも学園で教師をやってるから、タイムトリップをしていなければ会う事ができる
拓実「(俺には皆の気持ちはわからない)」
どれだけ、長い年月を一緒に過ごしても、どれだけ、沢山の思い出を共有しても、わかりあえる事はない
仕方のない事だと頭ではわかっているけど、それは少しだけ、ほんの少しだけ、俺に孤独感を与えた