Es liebt die ganze Zeit

□専科2年
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 岬「(今日は帰ってきてるかな)」


 先輩から任務が終わったとメールがあったが、俺の部屋に訪れる様子も自分の部屋に帰ってきた形跡もない


 岬「(それに行平先生まで行方不明って)」


 こみ上げてくる不安を吐き出すように溜息をついて、通い慣れた部屋の扉を開ける


 岬「っっっ先輩」


 あまり物のないシンプルな部屋の中央にずっと捜していた姿があった


 岬「先輩?」


 俺の声に振り向きもしないのを不思議に思いながら、正面に回ると先輩は光のない暗い瞳をしていた


 岬「・・・せ・・ん、ぱ・・ぃ?」


 何も見えていない、何も聞こえていない様子に腕を掴む手に力が入ったが、それでも反応を示さない


 岬「先輩、何があったんです、先輩」


 必死に呼びかける声が次第に震え、瞳がじわりと熱くなる


 岬「返事して下さい・・・七海」


 そっと頬を撫でた俺を揺らいだ瞳が映した


 七海「み・・・さ・・き?」
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