Es liebt die ganze Zeit

□専科1年
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 鋭い瞳をした先輩に逆らえなくて、引っ張られるまま連れていかれた部屋には行平先生と神野先生と柚香さんと高等部校長がいた


 七海「泉水兄」

 泉水「はいっ」

 七海「何?あの公開交際宣言、自分の立場わかってんの?」


 みるみるうちに小さくなった行平先生に容赦なく怒鳴りつける


 泉水「ごめん、お前にも一兄にも迷惑かけて」

 七海「・・・いいよ、私に謝らなくて、私にできる事なんて対した事ないから」


 声が微かに震えた


 七海「泉水兄も柚香も喜んでくれたのに、私、喜べなくて、守れる力もなくて」

 泉水「七海」


 そっと頬に添えられた行平先生の手が濡れる


 七海「悔しいよ、守りたいのに、泉水兄も柚香も大事で大切で守りたいのに、私には何の力もない」

 泉水「ごめん、ごめんな、ごめん」


 ボロボロと涙を零す先輩を行平先生は泣き止むまで抱きしめていた
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