Es liebt die ganze Zeit
□高等部1年
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姫様に呼ばれて、花姫殿へ行くと、どこか見覚えがある男の人がいた
七海「あれ?えっと、し、ん〜、何だっけ?」
姫宮「お主はクラスメイトの名前も覚えておらぬのか」
七海「特に興味ないんで」
志貴「志貴雅近だ」
七海「私は行平七海、んで、どうして、男子禁制の花姫殿にいるんです?」
男の人から少し離れた所に座り込みながら、首を傾げる
姫宮「雅近は私の親戚だ」
七海「姫様の?」
志貴「親戚といっても遠縁だがな」
七海「へぇ」
姫宮「恐らく、この学園にいる中で最もお主と立場と境遇が似ているだろうな」
私は高等部校長の妹という立場で、身内が学園にいるという境遇だ
それだけを考えれば、姫様の親戚というこの男は確かに最も私に似ていると言える
七海「志貴雅近、アリスは?」
志貴「結界だ」
七海「(姫様と同じか)憶測なんですが、志貴雅近は姫様の跡継ぎなんですか?」
姫宮「何故、そう思う」
七海「一番は姫様が花姫殿へ足を踏み入れる事を許している
いくら親戚だとしても男を入れるのには、姫様に関するもっと大きな理由が必要
そして、志貴雅近のアリスは結界、姫様程ではなくても姫様に次ぐ結界のアリスの持ち主なら、跡継ぎだとしても不自然じゃない
跡継ぎなら花姫殿に入る事ができるのも納得だからです」
姫宮「ほんにお主は頭の回転が早いのぅ」
七海「ありがとうございます、けど、1つだけわからなかった事があるんです」
姫宮「何だ?」
七海「そんなに大事な人と私を会わせてよかったんですか?私の噂は姫様の耳にも入っておりますよね?」
姫宮「お主と雅近を会わせたのは雅近が望んだからじゃ」
七海「え?」
予想外な言葉に志貴雅近の顔を見るが、変わらない表情からは考えが読み取れなかった