Short story
□伝えるために。
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俺、そんなにわかりやすかったのか?
真美にばれるくらい、変な態度だったか?
ごめん、真美。
俺はお前を守れなかった。
あの時、真美は俺のほうに走ってきたんだ。
そのとき車が突っ込んできて、真美を跳ねた。
―――あの時俺が真美に走るなって言ってあげていたら……。
―――いや、俺が…真美とさえ出会わなかったら……。
―――真美が俺になんか、出会わなかったらよかったんだ。
「ちがっ…ちがうよ、りゅう」
「へ?」
いきなり否定されておどろいた。
俺の考えていることがわかったのか…?
「そうだよ」
まじかよ。
本当にそうだったら…は?
「なに言ってんだよ。真美」
「りゅう。うちはりゅうと出会って、すごく幸せだった。
りゅうは、幸せだった?」
「そんなの、幸せだったに決まってんだろ…っ!」