Short story
□伝えるために。
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ありえない出来事に、俺は目を疑った。
「……真美、か?」
「うん。…うちの顔になんかついてる?」
「うそ、だろ…」
「…?? なんで」
だって、お前。
「…死んだ、はずじゃ……」
そう。
そのはず。
真美は、俺の目の前で、交通事故にあって即死だった。
なのに真美は今、ここに…俺の目の前にいるんだ。
「え? なんか、言った?」
「あ、いや。なんもねーよ」
なんとなく、言ったらダメな気がした。
たぶん、俺が思うに、
真美は自分が死んだってこと理解できてない。
「ねぇ、りゅう」
「ん?」
「うち…どうしちゃったのかな?」
「なんで、だよ」
声が裏返った。
同情してんの丸わかりじゃねーかよ。
「うち、死んじゃった…の?」