Short story

□人生ファウル
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―――あれは、事故だった。


そんなこと、してからだと言い訳にしか聞こえないかもしれないけど。

事実、あいつは死ぬつもりだったんだ。

だけど、まさか…
俺の、俺のこの手であいつを殺すだなんて考えてもいなかった。

あいつは最後に言った。

「僕は、生きてる価値なんてないんだよ?」

そんなのおかしい。

生きてる価値のない人間なんてこの世には存在しないのだから。

そう思うだけ。

俺には、親友のあいつにそんな言葉さえ言えずにいた。





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