Short story
□永遠の絆
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―――桜が空から舞い降りてきた。
「おーい、薫。お前、掃除サボんじゃねーよ」
「サボりじゃねーし。デートだし」
なんだ、こいつ。
言うじゃねーかよ。
俺は別にリア充に会いにきたんじゃねーんだよ。
「さーとーし君? 心の声丸聞こえだぞー」
「…勝手に読むんじゃねーし」
「なんでさ。せっかくの俺の超能力、今使わねーで、いつ使うんだよ」
「…頼むから、変なときに使わないでくだサイ」
こいつは俺の親友の薫。
明るい茶色の髪に整った顔立ちから、彼女あり。
俺と薫が一緒にいるのは、みんなから見てあまりに不思議なことらしい。
多分、外見のせいだと思うけど…。
「俺ら、なんで釣り合わねーのかな…」
「…だな。てか、絶対カッコよさじゃね? 髪の色とか。聡史、黒いし」
ごもっとも。
だいたい、出会うはずも、仲良くなるつもりも、親友になるつもりさえなかった。
なんで仲いいのかってよく聞かれるけど、仲良くて悪いのかよ。