Short story

□人生ファウル
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「僕の背中、押してよ」

ここは、屋上。

俺たちが通う学校の最上階…5階だ。

「なぁ…やめろ、よ。俺は親友を殺すなんて…できねー」

フェンスの向こうにいる俺の大切な親友。

振り返って、笑顔を向けてきた。

その笑顔は悲しそうだった。

悲しそうな笑顔なんか、するもんじゃないぜ?

「ごめんね。でも、僕もう…限界なんだ」

俺は、叫んだ。

止めどなくあふれ出る涙と共に、

俺のたった一つの大切な大切な生きがいという光が宙を舞った。








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