SHORT DREAM

□遠い夜明け
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俺たちに明日はあるのだろうか


こんなことを不意に思う



君と体だけの関係を初めてもう半年




気がつけば季節は春から秋へと変わっていた





「ねえ、ジョンヒョン?」


まだ体が火照ったままの俺に同じく熱の冷めない君が呼びかける




『なに?』




「私達っていつまでこの関係続けるんだろう」


『そうだなあ。いつまでだろうなあ。』



「もう他人事みたいな言い方ね。」



君は布団から出て脱ぎ捨てた下着を身につける



夜に会って事が終わればさようなら



世間一般的にはあまり良いとはされない関係



でも、この距離感がちょうどいいんだ


俺は君の名前とだいたいの年齢、そして連絡先くらいしかしらない


だからこそ自然体でいられる


だけど、それと同時に心の中にはもうひとりの自分がいて。



君と恋人になれたらどうなるんだろう



どんなデートをして、どんなことを話すのだろう





そもそも彼氏の有無すらもわからない





でも、一歩踏み出すのが怖いんだ



だから、俺は何も言わない



下着を身につけ、ワンピースを着ようとした君の腕をひっぱりまた布団の中に引っ張り込む



「ジョンヒョン・・・?」



『今日はこのまま朝になるまで一緒に寝てくれないかな?』



「うん」





君は、何も言わずに布団に入ってくる




もうそういうことをするんじゃないってわかっているから



君が寝たのを確認して俺はシャワーを浴びた





あと、どれくらいこの関係を続けられるのだろうか



タオルで体をごしごし拭きながら寝息を立てる君の顔を覗き込む


あと何回この寝顔を見る事が出来るのだろう




俺等に明日が来るのかはわからない




俺はただ朝が来るのを待つしかない




朝になれば君とはお別れ





いつか朝になっても一緒にいられる日が来るだろうか






俺は布団に入り目を閉じた




俺たちの関係の遠い夜明けを思い描きながら









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