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□夏空ゼリー
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「おせぇよ、つーかまた徹夜で仕込みしたな?」
「体壊すからやめろつってんのに」
ブツブツ小言を言うルークに
ユーリは「お坊ちゃんに心配されてちゃ
俺もまだまだだな」と軽く返す
それよりもだ
「今日はやたらと荷物が多いな」
言葉と同時に視線をルークの後ろに
移せば自転車に積まれた
大量の段ボールが目に入った
それにあっ、と何か思い出したのか
ルークはいきなりパタパタと
荷物をほどきはじめた
「そうなんだよ!今日すっげぇキレイなリンゴが届いてさっ」
ほらっ!そう差し出されたリンゴは
朝日に照らされキレイな赤色に輝いていた
ルークは朝学校に行く前によくこうして
ユーリの店に寄って果物や珍しい酒などを届けてくれるのだ
というのもルークの父は各地方から
特産物や骨董品などを買い付け
通販で一般販売を行っている
大手通販会社社長なのだ
なのでこうして余分に入荷した分を
お裾分けしてもらっているのだ