Sweet Bitter

□【4】最悪な朝
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「……、何で俺達裸なんだ?」
「覚えていないのか?」
昨日、確か受注処理をしていた事は覚えている。だが、そこからの記憶が全くない。何をしたんだ、これ。
これなら見ず知らずの女が横に寝ていた方が喜べるだろう。男女間ならそれなりに思い当たる事があるが、男同士だ。何かあってたまるかと柏は思う。
考えたのちに、柏は無かった事にした。
「朝飯、どうする?簡単なのでいいか?」
「立てるのか、お前」
特に意地悪い返答をされるでもなく、章羅は普通にそう言った。
今、お互いが裸で同じ布団に入ってる事は忘れよう。そう結論付けた。
どうにか足を床に付けるが、昨日よりも痛みが増した気がする。綺麗に巻かれた包帯に血が滲む事がなかったのには安心した。
(…てか俺下着まで穿いてないって)
足の痛み以上に気になる事は山々だが、気にしないことにした。
「…立てないかも」
「なんかエロい台詞だな?」
「…!か、片足で行くから良い!飯も作る!」
この瞬間に何となくだが、昨日は特に何もなく、章羅が自分をからかうためだけに服を脱がせたような気がした。そもそも、男もイケるクチだとしても自分を相手にするはずがない。相手に不自由しないであろう事が容姿を見れば一目瞭然だ。
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