Sweet Toy

□kouign amann 2topの場合-復讐編-
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聖美との一件があってから、初の出勤日。既に体の調子は戻り、違和感はなくなった。だからと言ってアキラの中の怒りも一緒になくなる訳ではない。今日こそ聖美に復讐をしてやろうと、この日を心待ちにしていた。
予め開店前に環を店の外に呼び出している。復讐を決行する為に。店でも良かったが、聖美に見つかると面倒だから外での逢瀬の方が都合が良い。
待ち合わせの店に行くと、既に環が付いており、アキラは環の正面の席に腰かけた。
「珍しいな、お前が呼び出すなんて」
「確かに二人でこうやって店の外で会うの初めてかもな。テメーの犬からされた悪戯の責任を取って貰おうと思ってさ」
アキラの言葉に環はきょとんとして見せた。何を言われているのか理解できない。そんな表情だ。聖美であれば、今の言葉で充分内容を察してくれる。環の頭の回転が遅い訳ではないが、聖美以外と会話する時には一から十までを話さなければならないのが面倒くさい。
「こないだ、聖美と俺が久々に二人で飲みに行ったのは知ってるな?その時に聖美に薬盛られてレイプされたんだよ」
「…そんな…まさか、…」
「信じられねぇ?俺が基本的に嘘は吐かない事お前知ってんだろ」
アキラの言葉に環は愕然とした。アキラは誤魔化したりはぐらかしはしても嘘は吐かない。それは長年の付き合いて知っている。出来ない約束は元からしないし、根は真面目だと言う事も。それにプライドの高いアキラがこんな事を嘘や冗談で言うとは思えなかった。
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