Sweet Toy

□kouign amann 2topの場合
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久し振りにアキラは聖美に飲みに誘われた。一瞬断ろうかと思ったが、聖美から誘ってきたって事は何かあるのだろうと考える。多分環への不満か何か。柏が来るまでは聞くに堪えなかったその内容が、今は聞いていて結構楽しいとアキラは感じていた。環は聖美のアプローチをのらりくらりと躱している。普段クールな聖美が焦れた様子をしている事が章羅は楽しくて仕方なかった。
「たまには付き合ってやるよ。柏に飯いらねぇって連絡しておくし。何時?」
「1時には店を出ようか」
「了解。上手く客捌けよ」
アキラの言葉に聖美は苦笑して見せる。店のナンバー1ホストに言う台詞ではないだろう。聖美はアキラよりも客への気配りもサービスもできる。接客に時間が掛かるのは当然の事だ。一方アキラの客は既にアキラの信者化しており、アキラの言う事なら大概聞く。店を上がる時間に差が出るのはこのせいだろう。ただ、たまに男の客がきて、それの相手にはアキラも手を焼く事があった。おそらく聖美も同じ事を考えているだろう。そこで店で一番男の指名が多いのはショートだと言う事を思い出し、アキラはつい笑ってしまった。




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