Sweet Toy

□俺の可愛い弟
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千歳の家に来て一ヶ月。押し掛ける感じで同居生活が始まった。…兄弟とは言え恋人関係だから同棲って言うのが正しいかもしんねぇけど。
5月中半だからたろう。最近は暑くなり、部屋にいてもじんわり汗をかくようになった。東京に比べれば大したことないけど。
千歳の家で俺は相変わらずネットショップの経営をしている。お歳暮、お中元の時期以外は基本的に暇だ。だから家事をしている時間の方が確実に長い。週に何回かはバイトに出掛けるが、それ以外は誰かと会うこともない。こんな状態で良いのかと今更ながらに疑問を持つ。俺がいたんじゃ千歳は友達を呼ぶことすらできない。
「俺、邪魔かな」
ポツリと呟くが、誰もいないこの部屋で返事が返ってくることはない。だってさ、兄貴がずっと家にいるって不自然じゃん。あの内気な佐倉だってキャンパスライフってやつを謳歌してたくらいだ。千歳だって仲の良い友人や、可愛い彼女の一人や二人くらい作ってるかもしれない。そこまで考えて胸が一気に締め付けられた。俺だっておっぱい大きい女の子と付き合いたいってずっと思ってたはずなのに、なんでこうなってんだろ。
男で、弟で、イケメン爆発しろって感じの奴にケツ掘られてるなんてホラー以外のなんでもないだろ。
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