Sweet Cage

□【7】夏休み-結-
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翌日目を覚ましたのは9時頃だった。隣で千重が俺にしがみつくように眠っていた。ここが何処だかを理解した瞬間に昨日の事を思い出した。…知らない男に犯され事よりも千重との事の方が衝撃的で凹んだとか、そういう事よりも憤死してしまいそうだった。
千重の束縛をゆっくりと解き、洗面台へと向かう。鏡に映る自分の姿に思わずギョッとした。体中に鬱血の跡が残っている。これはすべて千重に付けられたものだ。それを見た瞬間に昨日の事を生々しく思い出してしまう。
「めーちゃんおはよー。お腹減らない?」
「…おはよう。シャワー使うから、出たら飯食いに行こう」
千重が頷いたのを確認してから、俺は逃げるかのように風呂場のドアを閉めた。
その際に千重が自分の着換えを拾っている姿が視界の隅に入った。
…千重はなんとも思っていないのだろうか。
自分だけこんなにも動揺している事が凄く恥ずかしく感じたが、千重とはその辺りの経験値が違う。それを考えれば俺の反応の方が普通な気がした。
余計な事を考えても仕方ないと、シャワーのコックを捻り、勢いよく水を出した。
シャワーが終わる頃にはどうにか自分が少しでも落ち着いていればいいと、そんな事を考えた。
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