Sweet Cage

□【2】親友の秘密
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千重の秘密。
千重も俺に隠している事があったんだ。千重はさっき俺に声を掛けた時のような真剣な表情のまま口を閉ざしている。
「千重もホモなのか?」
「違うよ。…俺が中途半端な時期に豊里村に越してきた理由」
子供が引っ越してくるなんて、基本的には親の都合なんじゃないか。現に千重の両親は脱サラして農業をしていると聞いた。その為の資金が集まったから、ここに越してきたのかと思うのが普通だろう。
「…俺さ、小中と…なん言うか…痛くて言いにくいんだけど、クラスの中心的存在だったんだ。まぁ、良い気になって威張ってた訳よ。」
はぁ、と重い溜息を吐きながら話す千重。特に問題がないような気がする。そんな奴はクラスに一人くらい必ずいる訳だし、その立場になれば誰だっていい気になるだろう。痛いって言えば痛いけど、集団で生活してる人間には誰でもある心理だ。そんな珍しい事でもない。
「…クラスに一人くらい生理的に受け付けない人間っているよね?太ってて、バカで、運動できなくて、大人しくて…。今思うとあの人なんかのアレルギーとか、アトピー持ってたみたいで、常に粉噴いてて…見てるだけで嫌だったんだ。アイツが何してもカンに障って、腹立たしくて。俺…そいつをいじめてたんだ」
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