Sweet Cage

□【1】初恋
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自分は人と何か違う。そう気付いたのは…小学生最後の時だった。
卒業式に別のクラスの女子から告白をされた時のあの違和感。学年一可愛いと友達何人かが騒いでいた。…確かに可愛いとは思う。でも、その子と遊んだり、ずっと一緒に居たりしたくない。そう感じた。
彼女が出来たら友達からからかわれる事も目に見えていたし、その子の告白は断った。
普通だったら、いずれ後悔するのかもしれないけど、そうならない事が自分ではっきりと分かる。確信があるはずなのに、その理由は全く分からなかったけど。
小学校を卒業し、中学に上がると色気付いた女子達に更にモテるようになった。思春期の男子も女子に興味があるのか、誰が可愛い、誰と誰が両想いらしい。そんな会話をするようになった。俺はと言えば、モテる癖にどうして彼女を作らないのか。そんな質問を毎回されてうんざりしていた。
確かそれが夏休み前の事。
その夏休み直前に、転入生が俺達のクラスにやってきた。
名前が紫波 千重(しわ ちえ)と言って、東京から越してきたらしい。女みたいな名前だが、男だ。少年のような、少女のような中性的な顔で、いわゆる整った綺麗な顔。
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