Sweet Sweet

□【03】甘い幻想と、甘くない現実。
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あの、祭りの夜から佐倉と音信不通になった。
『アレ』をする前にはお互いに連絡を取り合う事を了承したのに、メールは返ってこないし、電話も圏外・電源が入ってないガイダンス。…これって拒否ってことか?脈ありだと思ってたのは勘違いか。
嫌だって佐倉は言ってたけど、射精したし気持ち良さそうだった。男だから、「射精=気持ちいい」が別物だって事は分かるけど…あれは絶対感じてた。
「ショート、少しいいか」
声をかけられてハッ我れに返った。ヤベ、今バイト中だった。よりにもよって社長、牧瀬さんの登場に焦る。
バイトは知人の紹介でホストクラブのボーイをしていた。仕事内容はウェイターみたいな感じで、給料が良いから気に入っている。最近佐倉の事で仕事に身が入っていない事は自覚済みだった。これでクビになったらどうしよう…とビクつきながら社長室に付いていった。
「座れよ。珈琲でいいか?」
「あ…はい。」
社長室で、社長と二人きりって面接の時以来か。基本的に豪快で優しい人だけど、裏があるのは勘で分かる。性格の裏表と言うよりは、この人の生活…プライベートでどんな世界を生きているのかと言う方が正しいかもしれない。
だからだろうか。二人きりになると妙に緊張してしまう。
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