Sweet Sweet

□【05】新人研修その2〜悪魔貴公子lesson〜
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「今日からお世話になります、市後翔斗です!よろしくお願いします!」
4日振りに出勤したアキラを見つけて、翔斗は透かさず挨拶をした。思いっきり下げた頭をゆっくりあげると、そこには聖美に負けず劣らずの美貌があった。容姿だけで例えるならば、聖美は天使で、アキラは悪魔だろう。怪しい色香を纏っている男だった。これが、化け物の二人目か、と翔斗はぼんやり考えた。
「知ってるっつーの。俺の事も知ってんだろ?あと、この業界で名乗る時は本名は言わねぇもんだぜ。うちの店は特殊だから従業員同士はみんなのフルネーム知ってっけど」
「あ…はぁ」
確かに六本木にいた時には牧瀬の名前くらいしか知らなかった。源氏名で十分だったし、本名を聞く流れになった事は一度もない。
「…でも、お前の本名…。イチゴショートだろ?初めて見た時笑ったぜ」
今もアキラの表情は少し笑っていて、名前をからかわれている事に気がついた。
「俺、結構気に入ってるんすよね。名前」
「は?マジかよ」
「はい。甘くて、可愛いじゃないですか。定番だし大好きです。俺みたいでしょ」
にこにこと笑って言う翔斗の言葉に、アキラは呆気に取られた。
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