Sweet Sweet

□【04】新人研修その1〜悩殺王子と最初の研修
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『ショート、おまえ、弾季の店行ったら間違いなく今持ってる自信、一回失くす覚悟して行けな』
『えっ、どういうことですか』
『おまえは今まで、自分のことわりとイケメンでモテると思って生きてきたんだろうけどよ、
多分あそこ行ったらその自信、根こそぎもってかれるかもなあ』
『はあ…?』
『あの店には、怪物が二人もいるからな』
そう言って牧瀬さんは笑った。

―その人は俺の最初の研修担当だった。
「翔斗、お前の最初のお師匠を紹介する。
聖美、入れ」
オーナーの御手洗さんがドアのほうへ声をかけると、その人は中へ入ってきた。
その瞬間、俺は時間が止まったのかと思うほどに彼を凝視してしまった。

なるほど、"怪物"ね…

牧瀬さんの言葉を思い出した。

確かに、自分の自信というものが音を立てて崩れ落ちていく音がしたような気がした。

彼は、とても背が高かった。
俺は175cmくらいだけど、今までこんな見上げなければならない身長の人なんて、牧瀬さんくらいしか知らなかった。

ミルクティー色の長い髪を一つに束ねていて、目も、肌の色もすべての色素が薄かった。
(……この人、ハーフ?それにしても、こんなに綺麗な人、初めて見た…)
これが俺の、彼に対する第一印象。
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