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□霧に紛れる雪♂
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次の日の放課後。
刹那は生徒会室に霧島がいないので、校内を探していた。
やっぱり直接本人に聞いた方がいいと思ったのもあった。

(きっと…話してくれますよね…)

すると、中庭あたりで霧島を見つけた。
しかし、誰かと話をしている。

(あれは…)

この学校一の不良と呼ばれている、梅原だった。
途切れ途切れに会話が聞こえてくる。

「で…可愛い…」

「あ?…んで…だろ」

(!?…霧島君が梅原君に可愛いって…)

刹那は口を押さえて後ずさる。

(もしかして…もう僕に飽きてしまったのでしょうか…)

ぐるぐると頭の中でいろんな可能性が回る。

(でも…霧島君はいつも僕に冷たい…)

寂しくなかったと言えば、嘘になる。
恋人な筈なのに…。
すると、後ろでガサッと音がした。

「かいちょ…?」

振り向いた先にいたのは霧島だった。

「どうしたの!?誰かに何かされたの…!?」

「え…」

霧島が刹那の頬を触る。どうやら、泣いていたようだ。

「大丈夫…?」

霧島の心配するような顔と、いつもとは違う優しさに刹那の気持ちが溢れた。

「霧島君っ…霧島君」

ギュッと霧島に抱きつく。

「えっ…」

「…らないに、ならないで下さいっ」

「?」

「嫌いにならないでっ…」





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