BL

□君の声♂
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「はぁ〜、今日も疲れたぁっ!!」

俺、神無月 翔。俺は今日の疲れがピークに達していて、ベッドへと思い切りダイブした。

……プルルルル、プルルルル

不意に、電話が鳴って俺は飛び起きる。この電話の主を俺は解っているからだ。

「はいっもしもし!?」

『ははっ、今日も元気だね翔は』

とても優しい声が電話の向こうから聞こえる。
電話の相手は、俺より2つ歳上の水無月 新って人だ。新君は、所謂従兄弟って奴で結構仲が良い。
それに実は俺は新君に片想いをしていたりする。

「新君、大学のほうはどう?」

『僕?僕は順調だよ。って、昨日も言ったね』

新君は今大学生で、遠くの大学に行ってるんだ。
新君が大学に行くのを一番寂しがっていたのも俺で、新君はそんな俺を見かねて毎日電話してくれる約束をした。
そして今日も、その約束通りに電話が掛かってきたって訳。

『そう言えば翔、聞きたい事があるんだけど』

「何?」

『彼女出来た?』

俺はその質問にドキッとする。少しの淡い期待を込めて。

「な…何で?」

『何となく、かな。だって翔からそういう話題を聞いた事がないから』

「はは…新君もでしょ。てか、俺ら女子みたいだよ」

『恋話〜っ!!って??』

新君は少しおどけた声を出して、わざと女子っぽく言った。
こんなにノリがいい人だから、モテるんだろうなぁ。とか思った。

『じゃあ、また明日ね』

いつの間にか電話は終わっていた。
俺は何も聞こえない筈の電話を耳にあてた。やっぱり君の声は聞こえなくて。
その先にいる君に、俺は言った。

「好き……」





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