BL
□雨に溶ける雪♂
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「会長」
「…」
「会長ー」
「…」
「会長〜」
「…あっ、はい」
三度目に雨宮が抱きつきながら呼べば、刹那はやっと答えた。
「何にそんなに集中してるの?」
「あ…今回の企画なんですけど……雨宮君、会議内容ちゃんと聞いてましたか?」
そう言われ、雨宮は自分も一応生徒会役員だったと思い出す。
「わり、聞いてなかった。だから怒らないで?会長〜」
刹那は無表情の中にも少し怒りが見てとれたので、今回の企画はよっぽど忙しいもので、尚且つ面倒くさいものであるのが解る。
「雨宮君」
「な…何??」
刹那がいきなり真面目な顔で雨宮を見たので、思わず雨宮もつられて真面目な顔になった。
「この企画が成功するまで、僕に触ったらダメですよ」
「えぇっ!!?」
「それでも触ったら、雨宮君と別れて関わりを無くします」
「えぇぇっ!!!!」
いきなりの発言に戸惑いながらも、雨宮は必死に抗議をした。
「会長!!そんな簡単に別れるなんて何で言えるの?会長にとって俺は何?」
「雨宮君。僕は決して軽い気持ちで言った訳じゃありません。それほど今回の企画は大変だと言うことです。それに、企画中雨宮君が僕に触らなければ済む話ですから」
「…っわかった」
刹那の目は本気を物語っていて。雨宮は死ぬ気でこの企画を終わらせようと思ったのだった。
(てか、永久にこの企画没にしてやりてぇ…)
きっと雨宮の中で一番嫌いな企画No.1になったのは間違いないだろう。
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