BL
□雨×雪♂
2ページ/6ページ
「もー、止めてよ。熱に気づかないとか」
「す、すみません」
つまり、そういう事だ。雨宮の声で倒れたとか、首を締められたとかではなく、ただの熱だったのだ。
なので、今は保健室で刹那はベッドの上だ。
「辛いなら辛いって言って。俺、会長の事が大事だから…」
いつもとは違う雨宮の雰囲気に戸惑いつつも、首を縦に振る。
そしてふと、さっきの言葉が頭に浮かぶ。
「雨宮君にとって、僕は何ですか?」
刹那のいきなりの問いに少々びっくりする雨宮。
しかし、いつもの調子を直ぐに取り戻し、こう言った。
「好きな人」
その言葉に少し刹那の目が見開かれる。
「勿論…」
「勿論、恋愛的な意味でだよ」
刹那が友達的な意味でと言うのに先回りし、雨宮は言ったのだった。
「何で…僕なんですか?」
「好きになったのが、会長だっただけ」
「他にも…可愛らしい女の子がいたじゃないですか」
「………」
黙った雨宮の方を向くと、バッチリと目があった。
「ねぇ会長」
.