*ダンガンロンパ(1、2両方)*
□悪縁契り深し
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…江ノ島と暮らし始めて、何日かが立った
正確に言うことはできないが、何日かが立ったとしか言い様がない
時刻を教えてもらうことはできるが…時計のないこの部屋では日にちの感覚はすっかりなくなっていた
「はい、あーん!」
『…ん』
「ど?美味しい?」
『ああ、美味い』
「そう?よかったあ!」
一緒にといっても…朝晩の飯の時にしかあいつは俺のところに来ない、おそらくモノクマの操作でもしているんだろう
その隙に部屋をいろいろと物色してみたが…特に何もなかった
部屋といっても、いくつかの部屋が有り…本当に一つの家のようだ
『…なあ、江ノ島』
「何でしょうか…?」
『あいつらは、苗木達は…今どうなっているんだ?』
「ええ〜、ヒ・ミ・ツ!」
『…』
「…あとさ、その探るような話し方…ムカつくんだけど」
『!!』
「情報を得ようとしてんのかなんだか知らないけど…そんなの私が教えるわけ無いじゃん!!」
俺の思惑は全て…バレていたのか?
この数日間は…全くの無駄だったということか…!!
そんな俺の思考を読み取ったのか、俺に顔を近づけて囁くように言った
「全部…無駄なんだよ、何をしても」
『え…のしま?』」
「あんたが何をしてもなんにもならない、全部…ぜーんぶ無駄なの」
『…』
「だから…早く堕ちろっての」
『…!!』
そう言われて軽くキスをされた
何故か、自分でも驚いてしまうくらいに胸が高鳴って…顔が火照るのが分かった
体が固まったかのように動けなくなって…思考が停止していった
この胸の高鳴りが恐怖によるものか混乱によるものか、それとも…別のものなのか
今の俺には…判別がつかなかった
悪縁契り深し
(おかしいことも、間違っていることも分かる)
(だけど…もう止まることはできない)
→あとがき