*ダンガンロンパ(1、2両方)*

□腑に落ちない
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…鬱陶しい雨だ


雨が好きって言う人はいても、まさか雨のなか濡れ鼠状態で歩くのが好きって人はそうそういないだろう
普段の俺なら絶対に外に出たくはないけれど…今日は特別だ

俺の好きな作家の新作小説、これは買うしかないだろう



『よかった、買えた…』

「…あれ?」

『え?』



何やら知っている声を聞いて、条件反射で振り返った
するとコンビニの屋根の下に、同じ寄宿舎に住む俺の同級生がいた
…雨宿り中なのか?



『…舞園さん?』

「五十嵐君、奇遇ですね!」

『仕事帰り?お疲れ様』

「ありがとうございます、お買い物の帰りですか?」

『そう、傘ないの?』



一応変装のつもりなんだろう、普段の彼女には有り得ないくらいにシンプルな服装でメガネをかけている
普段着飾っている所為か今の彼女の服装は新鮮で、でもこれはこれで似合っているような気がする
…俺的には派手な服よりこれくらいが好きかな



「そうなんですよね…困りました、突然降ってきちゃって」

『入る?』

「えっ!?で、でも…」

『そっか、アイドル的にまずい?噂になったりするか』

「そういうわけではないんですが…いいんですか?」

『俺は別にいいけど』



この子と噂になって何も困ることはないし、それにこんな雨の中に女の子をおいていくのは流石にできない
どうせ、帰る場所も同じだしな



『どうぞ?』

「お…お邪魔しますね」

『いえいえ、狭くて悪いね』

「そんな!ありがとうございます!」



あ、でも…俺は困らないけどこの子は噂とかやっぱり避けたほうがいいかな?
本人は気にしなくていいと言っていたけれど、変装くらいはしたほうがいいのかな

ないよりはと思って、少しでも顔を隠す為に彼女に俺のかぶっていた帽子を被せると…
舞園さんは何故か帽子のつばを抑えてうつむいてしまった



『ごめん、何か変なことした?』

「い、いえ…」



…女の子ってよく分からない
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