無双クロニクル夢

□小牧長久手の戦い 上
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相変わらずな三人に月は声を出して笑う。
それを三人が驚きながら見つめた。

「あははは!……ん?なんだ?何かついてるか?」
「…なんか、お前やっぱ変わったな。前はそんな顔で笑わなかった…うん、可愛くなった!な?清正!」
「あ、ああ。というか…その、子供っぽいというか…表情が…」
「え?こどもっぽい?ねぇねね、私こども?へん?」

ねねも少しの違和感を感じたが、この月のほうが表情を無くして心を殺していた昔よりも、なんだかとっても健全でよい気がする。

「…いいや?そのままでいいんだよ。可愛いよぉ。」
「?」
「あ!朝ご飯食べた?今からねね特製の朝食を…」

にっこりと微笑むねねに、月も微笑み和やかに会話しているその時だった。

「月さま…ッ!!!」

懐かしい声に驚き、そちらをみれば廊下の先に茶茶がいた。
気付いてにこっと笑う月は両手を広げ、走りより胸に勢い良く飛び込んできた茶茶を抱き締める。

「茶茶、久しぶり。」
「お会いしたかったです!茶茶は…茶茶は月が居らぬ日は一日が千のように感じてましたっ」
「そうか。…淋しい思いをさせた。これからはまた、無理難題で私を困らせるがいい。」
「もう!茶茶は大人よ?だからね、茶茶のそばにいてくれればいいの。ああでも、茶茶とお馬で出かけましょ?庭先でいいの!」
「うん。あ、そんな高価な服じゃだめだ。着替えてこい。」
「はぁい!」

茶茶がぱたぱたと立ち去れば清正と正則は複雑な顔をしていた。それには月もめずらしく気付く。

「どうした?」
「どうしたってか、茶茶さまと仲いいのか…?」
「ああ。織田家の頃はよく市に頼まれて面倒を…」
「それじゃあねねさま派に」
「正則!やめなさい!!……なんでもないのよ?さっ!暇なら利家の家に行って夜の宴を手伝いにいくよ二人とも!」

正則の言葉をさえぎりねねは二人を引っ張っていく。
疑問に思いながらも月はすぐに着替えて戻ってきた茶茶を連れて、馬で領内を散策した。

「…そうか、秀吉の妾に……」
「そんな悲しそうな顔しないで。私はこれが最善だと思ってる。浅井と織田の血を、絶対的な地位で残してやるの。」
「…逞しいな。市そっくりだ。」
「そう?嬉しい!…ただ…」


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