無双クロニクル夢

□お泊り会
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■羽柴家■


「やっとウチに来てくれたねぇ…待ちくたびれたよ!!」
「ねねッ胸で窒息死します!」

秀吉の妻に出迎えられ、あわや他界しかけた。
出迎えには秀吉がおらず、ねねと見慣れぬ若い男が三人いた。

「お前様はお勤めが立て込んでて帰ってこれないの。すっごく月と過ごしたがってたのに残念だよ…」
「秀吉もですか…利家も忙しそうでしたし、何か近いうち戦があるのやもしれないな。」
「お前!」

銀髪の大柄で端正な顔をした男がずいと前に出る。

「さっきからおねねさまや秀吉さまに呼び捨てじゃないか!歳も位も下なのに馬鹿なのか!?」
「清正!めっ!!」

ねねが前に出た清正に拳骨を食らわせる。

「もー!ごめんねぇ月!あのね清正、この子は幼いけどお前様の友なんだよ!?お前様の友になんて口の聞き方だい?!」
「ねね、いい。不愉快にさせたなら悪かった。だが、呼び方はあらためんがな。」
「なっ!お前…」

無表情で倍の体格の清正を睨みあげる。

「…私は、誰の指図も受けない。」

いらだちに掴み掛かろうとする清正をもう一人の大男が止めた。

「清正!んなガキにマジんなるなよ!」
「正則…チッ!」

リーゼント頭の男、正則にいなされ、清正は下がる。

「ありがと正則!…えっとね、この三人は私たちの子供だよ!端から正則、清正、で、このむすってしてるのが三成!」

二人より後ろで、めんどくさそうにこちらを見た茶色い髪の美しい顔をした華奢な男が頭を下げる。

「……貴様が歴戦の勇者か…信長さまはとうとう、子預かり寺でも始められたのかな?それとも稚児に目覚められたか?」
「……さぁ?そうかもな。」
「三成ッ!もー、お前たちは夕飯抜きだよ!!」
「おっおねねさまぁ!俺なんも言ってねぇよぉ!」

三人を下がらせるとねねは申し訳なさそうに月に頭をまた下げた。

「ごめんねぇ!」
「いえ、私にも問題があるのだろう。人付き合いは苦手で…なんでしたら、宿に行きますが…」
「ダメ!ダメダメダメ!月と過ごせる今日を楽しみにしてたんだから!絶対だめ!」
「…ありがとう。」

にこっと笑いかければ、ねねがまた抱きついてくる。

「…あの子達もいい子なの。よかったら話してあげてね?清正なんか、ほんとは楽しみにしてたんだから。」
「………え?…あれで?」


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