無双ビーエル
□気付けばもう、道はなかった
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「……三成、馬鹿、舌噛んだのか?」
己に跨る三成を下から揺すっていれば、三成の唇から血が滴れる。
慌てて抜き、両脇をつかんで布団に座らせ、向かいにあぐらをかき己も座る。
「ほら、口あけて舌みせろ。」
「………っ…」
舌を出せばどこも切れてはなさそうだ。唇を舐めて血を拭ってやると、どうやら唇が切れたらしい。
「声を殺すからだ、馬鹿。」
「ん。」
三成が目を閉じて俺の首に手をまわす。
なんだ?
三成から俺に触れてくることはほぼない。珍しい行為に茫然としていれば、三成の血がついた唇が俺のに重なる。
――――馬鹿な。
硬直する俺に、三成はそのまま離れずに勝手に唇を開き、俺の口内を舌で暴れる。
水音が少しして、離れると目を開けて、またいつものように無表情で俺を見た。
「ッ…いま、口付け、したのか?」
「ああ。」
「三成…なぜ…?」
「さぁな……いやか?」
「いやなわけがないだろ!馬鹿ッ!!」
嬉しさのあまり俺は三成を思い切り抱き締めた。
三成の腕も、弱々しく俺の背をなぞる。初めて、抱き返された。腰までのびた三成の髪が腕にまとわりつく。裸のままの三成の肌に、俺が触れていないところなどない。心も、俺に。
「三成…っ俺の、名を。」
「きよまさ。」
「もっと……三成、もっとだ。」
「きよまさ…………きよまさ、きよまさ。」
足首の枷がチャリと冷たい音をたてる。そうだ、こんなものもういらない。
「お前は俺の、俺だけのものだよな?…そうで、ありたいだろう?」
「……ああ。」
可笑しすぎて泣きたいような笑いたいような表情をした。震える手で脱ぎ捨てた服から鍵を取り出すと、枷をとってやる。
「…外に、少し出してやろう。」
「清正。」
立ち上がり三成の手を引くと、三成は首を降った。
なんだ、あんなに外に行きたがってたのに。
「どうした?」
「……まだ、いい。」
「あ?」
「清正に、今は抱かれたいのだ。」
真っすぐに見つめてくる眼差しは冷たくとも、三成が俺を求める言葉は熱い。とても嬉しくて、俺は涙が滲んだ。
枷をはずすために、外に出るために、言ったのではない。俺を欲してただけだ。
「…ッ、いいだろう…はしたなく、足を開け。」
言われるがまま三成は俯きつつも足を開脚させる。その幼さの残る性器に俺はしゃぶりついた。
「……あっ」