無双ビーエル

□大学生と一人暮し
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「ダメだ!泊りなんて絶対に!今から迎えに行ってやる!…友達って誰だよ!大学で知り合ったんじゃまだ日が浅くて安全とは限らないだろ!…お前の高校から行った奴なんか真田か直江か高橋っていう男だけだろ!…うるせぇ、とにかく男だったらその男狩る…はぁ?じゃない!男なんだな!?三成早く場所を言え!言わないとその三人の家をつきとめてかならず……って切るんじゃねーッ!!もしもしッ!!ッ!畜生!」

電源が切られた。
ケータイを破壊するほど握り締めて清正は先程からドン引きの正則をにらみつけると無言で部屋を出ようとする。

「っ…オイオイ!清正、まさか探しにいくのか?」
「あたりまえだろ!三成の部屋の卒アルみて住所調べて…」
「いやいや、実家から一人暮らししてたら無理だろ。しかも今夜中の十二時だぜ?」
「ッ…煩い!正則は三成が盗られてもいいのかよ!」

怒鳴りつけた清正を上からじっと睨み付ける。
正則のその態度に清正は少し恐れ後退りして、息を飲む。昔一度見た、喧嘩して停学になったときのキレた表情と同じ顔だった。

「……清正よォ、もしかして三成のこと姉じゃなくて、オンナとして見てんのか?」

だったらなんだ、と清正も頭に血がのぼる。正則が清正の眼を見て珍しく心情を悟ったらしく、はぁーっとため息を吐いた。

「ダメだろ、ふつーに。」
「そんなことは解ってる。だが俺は…」
「いや、そーじゃなくて、まぁ、さ。」

正則にしては珍しく尊台で当然だというように清正を見ていった。

「フツーに、三成は俺のオンナにするから…諦めろよ、今日で。な?」

「は…?」










「…だから、今日は友達の家に……高校の時からの友達だぞ?…なぜそんなことを知ってる……はぁ?……付き合いきれん。切るぞ。」


三成がキレ気味にケータイを切ると、横にいた宗茂がふっと笑った。

「弟くんはずいぶん心配性なんだな。」
「ああ。帰りが遅いだけでも煩いのだ。泊りなんて言ったら、こうなるって解ってたからな…まぁ平気だ。母には言ってある。」
「そうか。みんなはまだ三次会も行くようだが、もうバカ騒ぎは疲れた。俺の家で飲み直さないか?」

その言葉を目ざとく聞いた隣の女が宗茂に甘ったるいしゃべりで、えー、かえっちゃうの?なんて聞いてくる。宗茂は高校の時もそうだが、かなりモテる。


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