無双クロニクル夢

□金ケ崎撤退戦 上
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上洛を果たした信長は越前朝倉を攻めていた。

朝倉と浅井は同盟であったが、浅井に信長の妹お市が嫁いでおり、浅井は織田につくと思われていた。
しかし、浅井は織田を背後から強襲。挟み撃ちにされた織田・徳川軍は窮地に追い込まれ、地獄の撤退戦を余儀なくされた。

「うっわぁ〜!やばいなコレ…家康殿!忠勝殿!もっとお下がりをッ!」

連発銃を打ちながら最後尾から最前列にもどり、馬上の家康に太陽はいつになく険しい顔をむけた。

「信長公は早々に戦場を数名の単騎で離脱ッ!地元の朽木を連れて京まで最短距離で行くようです…!」
「あいわかった!そなたらも退け!」
「俺は残るッ!!織田の殿軍は猿と明智らが残る模様!立場的にこちらも残さねばなりますまい!…ではおさらば!!」
「すまぬ!…生きて戻られよ!!」

馬を止め、単騎太陽は死地へと戻る。

「……なぁーんか最近仕える先々でこんなんばっかだな。お祓いでもいくかね。」

太陽は不運を嘆きながら最前線で奮闘する兵に叫ぶ。

「殿が撤退するまで退くんじゃねぇッ!!武士ならば一人でも多く倒して!敵に背を向けて倒れるべからず!!…死地を生き延びてみよッ!!」

馬上の叫びに味方が注目する。撤退の合図を旗で示しながら逆のことを言った。

「我こそは噂に名高い本多忠勝!!武勇がほしければ、我に挑めッ!!」

さらに嘘を叫び森へかける。かなりの兵がついてきたのを見て、味方の兵が撤退をはじめた。

「ひぇーッ…囮作戦成功だが、俺超危機!」

森をかけながら止まり、撃つ。また走り止まり、撃つ。繰り返していく内に織田の殿軍と合流できた。

「助太刀頼む!…一人じゃどうにもならない!」
「よいでしょう!…あなたは?」
「徳川軍殿軍の太陽!…アンタの旗印、明智殿か?」
「ええ、共に死地を抜け出しましょう…!」

明智と敵をバッタバッタ斬り伏せるが、太陽はもはや体力の限界であった。そこに透かさず明智が握り飯を渡す。

「死なれては困ります!…さあ!」
「…恩にきるぜ。」

むしゃむしゃ食べて回復すると太陽は先程とは打って変わって大剣を振り回し、捨て身で敵に突っ込む。

「ッ…敵将ッ討ち取ったりー!!」








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