無双ビーエル

□姉に恋してまして
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俺には兄と姉がいるが、二人とも血はつながってない。

いわゆる養子だが、それは周知のことなので、特に見た目が違うとか何か言われたりとかはなかった。
兄は兄だが同じ学年で、姉は一つ上だ。
高校は皆違うとこに通って、俺だけスポーツ推薦だったので朝練の為に早く出て、自転車通学をしていた。
だからあんなに犬猿の仲だった二人の姉兄がいつのまにかすごく仲が良くなっていて、まさか一緒に通学してるとは夢にも思わなかった。



「ん?なんだ清正、まだいたのか?めずらしいな…」
「今日開校記念日で休みなんだよ。」
「そうか。」

姉は無愛想で口が悪い。素っ気ない返事に聞いといて興味ない反応かよ、と睨み付けた。気付かない。そうだ、鈍感も付け足しておこう。

「三成!早くしろよ!」
「ああ…正則、待て。」

二人が一緒に玄関に行くのを驚きに目を丸くして見た。うそだろ、と居間のソファーの上で飛び起きてみたほどだ。

「あー!正則おべんとう!清正っ早く届けて届けて!!」

母、ねねさまに渡された弁当を持って、まだ半信半疑ながら追い掛ける。
二人は道路を談笑しながら一緒に並んで歩いていた。信じられない、夢なんじゃないかと思ってしまう。

「おい!正則!…弁当ッ!」

門から叫べば正則が慌ててとりにくる。その間三成が腕を組んで待っていた。

「忘れてた!サンキュー清正!」
「なぁ、もしかして一緒に通ってるのか?」
「まぁな、一駅違いだし…じゃ、行ってくるな!」

いってらっしゃいと言うのも忘れて茫然としていた。居間にもどるとねねさまが礼を言いながら抱きついて頭を撫でてきたが、いつもドキマギしてしまうその行動も何も感じずに、またソファーに横たわった。

「あ、今日おまえさまの事務所行ってくるからお昼ご飯チンしてたべてね!…三成も午後は家庭学習だから一緒に仲良くたべるんだよ?」
「あ、はい。」

俺は午前中、おまかせ録画で撮り蓄めておいたサッカーの試合を見て、気が付いたらそのままソファーで眠っていた。

「…清正!昼だぞ!」
「うわっ!」

部屋着を着た三成に起こされて、奴が温めた飯を食べる。無言の三成をちらりと見れば目が合い、嫌そうになんだ?と睨まれる。

「…だ、大学はどこ受けるんだ?」
「T大だ。」
「名門だな…大丈夫なのか?」
「当然。模試はすべてA判定だ。」


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