無双ビーエル

□姉に恋してまして
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顔を上げれば三成は真っ赤になりながらも優しく笑っている。
俺は三成の手を掴んで立ち上がると、勢い良くキスした。
小さい三成の頭を鷲掴みにして、ビクリと震えた体の腰を掴んで引き寄せる。

「ッ…ふ、はぁ…っきよ、ま…ッ…!」

柔らかい唇を舌でこじ開けてむちゃくちゃにかき回す。角度をかえて何度も何度も口付けて、後退りする三成を壁に押しつけてまた繰り返し口付けた。

「っ…はぁっはあっ…、馬鹿、苦しい…」
「三成、いつから?」
「……小学生の頃から知ってた。」
「…さっきも?」
「やはり先程もしてたのか。夢かと思ったが、やけりリアルだったから…」

ばれてた。はじめからかよ。最悪。
色っぽい三成の顔にまたたまらなくなって口付ける。
三成は抵抗しなかった。それって都合いいようにとっちまう。


「………イヤか?」
「…解らん。でも、嬉しくはある…清正が、可愛いから、知らん顔してた俺も悪いし。」
「………ついでに言うが、好きなんだ。家族ともおもってるけど、そんなもんじゃない。」
「……そのようだな。」
「お前は?」
「……それをいつも考えてたが、解らん。」
「まぁ、いいや。拒絶すんなよ?」
「………今まで、一度もしなかっただろ?」
「…お前が好きだ。お願いだから、俺のものになってくれ。」
「…清正……んっ!」

正則もいるし、親もかえってくるかもしれないのに、もう一度、もう一度だけと繰り替えしキスをしていた。
幸い玄関の開く音を三成が気付き脚を蹴られたおかげでばれなかったが、三成はさっさと風呂場へ逃げて、俺は皿を割ったことをねねさまに怒られてしまった。

「どぉーしたの清正ぁ!顔まっかだよ!…お熱かなぁ?」
「……いえ。ちょっと、あの、いや、そうですね、ちょっとだけ熱っぽいかも。」

せっかく三成へのキスが本人公認になったのに、受験生に風邪を移すなと接近禁止命令が出て、俺は正則の監視下におかれてしまった。



もちろん三成は第一志望に受かって家から通うことになったが、金持ちで過保護な父、秀吉が毎日新幹線通学を義務付けたので、通学は30分になり、まったく苦にならずに三成は通っていたのだった。






つづく


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