無双ビーエル

□姉に恋してまして
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三成は寝起きがよくない。一度寝ると中々起きるまでに時間がかかる。

俺は三成にキスをした。

三成は彼氏がいたことがない。なぜなら小中学の時は俺がことごとくその機会を潰してきたからだ。
携帯や部屋の日記のチェックはかならずしてたし、帰りが遅ければ迎えに行ってた。
高校になってからもそれは続けていたが、メールや着信履歴は白なので問題はないだろう。

今までも寝込みにキスを何度もした。
だから三成のファーストキスは俺のものだ。もちろん、俺も三成のものだ。

「……遠くに行くな、三成…ずっと。」

もう一度キスしてから、ゆっくりベットを抜け出し、ピザを頼む為下へと降りた。


「あ!なぜ貴様はそっちばかり!まだ食べてなかったんだぞ!」
「うっせ三成!ほら、海老やるから我慢しろ。」

正則がちょうどピザと一緒に帰ってきて、案の定二人はいつも通り喧嘩しながら食べている。
俺は三成に自分の皿に乗せたピザをあげた。

「…ん?食えよ、俺は何でもいいから。」
「あ、ああ。悪いな清正。」
「なんだよやさしーじゃん清正ァ…」
「俺はいつも三成には優しくしてるんだよ馬鹿。」

な?と、笑いかけると三成は顔を赤くする。三成は俺の顔と体格、つまり外見はタイプらしい。前にメールで友達に言ってたのを見た。日記にも笑うと可愛いとかいてあった。

「あ、そうだ…これ三成に。」
「ん?あ、お守り…」
「大学受かるといいな…」

ありがとうと言って、嬉しそうにピンクのカーディガンのポケットにしまう。
俺はわざとらしくでも、と肩を下げた。正則がどうしたどうしたぁー?と騒ぐ。いいぞ正則、もっと仰げ。

「三成が、マジで…家を出るのは淋しい……せっかく家族になれたのに、な。」
「ッ……清正…」
「え?三成家出んの?ガチで?ガチで?」

うるさい正則、もう下がっていいぞ。三成は心苦しそうな顔をした。
何をかくそう、俺は三成の前では甘ったれで寂しがりやな弟を演じてきているのだ。正則と違って三成と喧嘩なんかしたことないし、わがままも言わない。
三成はそんな俺を、とても可愛がってくれている。

「た、たまにはかえってくるぞ?」
「ああ、わかってるよ。それでも…ッ」
「清正、そんな顔をして、困った奴だな……解った。電車で一時間半だが、通えない距離ではない。考え直す。」
「…本当か?」


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