無双ビーエル

□姉に恋してまして
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「…家からだと遠いな。」
「大学は一人暮らしをする。秀吉さまにも御了承いただいてる。」
「え?」

白い部屋着にピンクのカーディガンを着た三成は食べおわるとさっさと自分の分を片付けて、部屋に行こうとする。

「ごちそうさま。」
「み、三成!」
「…なんだ?」
「えっと、だな…その」
「……安全圏とはいえ入試は今週末だ。勉強をしたいのだが。」
「…わり、なんでもない。頑張れよ。」

首を傾げて三成が部屋を出ていく。


本当にいまさらだが、姉は相当美人だった。
すっきりとした顔立ちだが、潤んだ瞳と赤い唇は色っぽい。
赤茶の髪がさらさらでいい匂いがするし、肌は白くて陶器みたいだ。
スタイルも細くて背はやや小さいが、脚がとっても長かった。
欠点といえば、胸がないことぐらいだが…。

幼い頃から姉が近くにいたせいで、女の外見への基準はそうとう跳ね上がってしまった。とにかく、姉以上に可愛くて綺麗な女はみたことがない。
仕方がないのでせめて胸がバカみたいに大きい女と何人か付き合った。本当に、仕方なくだ。
だって、そうでもしないと姉がいい、って駄々をこねたくなる気持ちになってしまうから。

白状すれば。俺は姉がウチに養子にきた時から、好きで好きで仕方なかった。


夕方になってねねさまからメールがきた。
遅くなるから夕飯も三人でたべてね、だそうだ。
俺は三成の部屋に言って、出前とろうか聞いた。返事がない。部屋に入れば仮眠中なのか、ベットで寝ている。何度もこんな場面に遭遇しては、我慢に我慢を重ねて普通に接してきた。

「…三成。」

三成の寝顔は天使みたいに可愛い。起こそうと肩を揺らせば、ルームウェアーの襟からピンク色の乳首が少し見えて、気を失いかけた。

「み、三成…!」
「…ん、ぅ…きよま、さ、……」

目はうっすらあいているが寝呆けて俺の首に腕を回してまた眠る。そっと浮いた背中に手を回して再びベットに降ろすと、そのまま俺も横に寝転がった。三成の指が俺の頭を撫でる。
起きてないか目蓋の下の目の動きを注意深くみれば、絶対寝ていた。

「き、よまさ…、正則…」
「三成?」

寝言を言う三成は口を歪ませてうっすら笑った。俺の心臓は停止寸前になる。

「……バカにも、ほどがある…」

最悪な寝言に少しイラっとしたが、それでも心搏数の上昇は止まらなかった。



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