無双ビーエル

□気付けばもう、何もかもが
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隣で眠る三成に上掛けをそっとかぶせてやり、青白い顔にかかった赤い髪を、優しくよけてやった。
薄い胸板が上下するのを飽きずに眺め、赤い唇からかすかな呼吸の音がするのに耳を澄ませた。

「……佐吉……」

昔のように、名を呼んだ。
三成は幼かった俺のことをなんと呼んでいただろう?どう思い出しても馬鹿とか、このクソガキとか、そんなのしか出てこない。
いや、そんなことはない。
三成は昔はもっと、弱くて可愛かった。

おねね様に茶菓子を貰ったときも余った一つを、一番歳が小さいからと俺にくれたではないか。

いつからこんなにも俺の言うことをきかなくなった?

誰かが入れ知恵しているに違いない。
吉継か行長か。あいつらは歳が上というだけで俺や正則を頭ごなしに否定する。きっと言いなりにさせているんだ。
もしくは島左近。三成を甘やかしてあやつってやがる。
兼継や幸村も目障りだ。こっちにくるたび三成のまわりを虫のように飛び回る。
誰も彼も邪魔で仕方ない。
たとえ軽口でも正則と話していれば気に入らない。
そうだ。
あんなに尊敬してやまない、秀吉さまさえも。


「三成、なぜ俺をみない?どうして俺が苛立つことばかりわざとするんだ?」

「お前はッ俺の言うことだけきいていればいいんだッ!!!」


目の前が真っ赤になって、涙のあとが残る三成の頬を殴り付けた。
三成が起きて、悲鳴を短くあげながら俺を見つめ、裸のまま寝所を尻餅をつきながら壁まで逃げる。
三成、そうだ、それでいい。

「よぉくみろよ、俺を、俺だけをッ!!」

怒鳴りつけたら体をびくんと震わせて、身を縮めこませた。
蕾からだらだらと俺のをこぼして、床を汚していくのさえ、気分が良かった。

「ッ…も、やめてくれ…!きよまさ、ひっ…お虎…ッ!やめ、ッ」

お虎。
ああそうだ、それでいいんだよ佐吉。

俺は三成の細い足を高々とあげてひらかせると、犯し続けてだらしなく口をあけているそこにまたねじ込んでやった。
とても抵抗が弱々しくて、悲痛な泣き声に愛しさがこみあげる。

「ヒッ!あっ!あっ!やだ、や、……もういやだぁッ!!…ひぐっ!うっ!うーッ!!」



そういえば忘れていたが、あの茶菓子も、佐吉を正則と殴って奪い取ったのだった。

三成。俺の、弱くて、可愛い三成。



頼むからそのままでいて。


END


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