わがまま
□私の世界の色
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私の世界に色はない
無色
みんな同じ色
いつも同じように俯いて廊下を歩く
いつもと同じ
でも、「違う」は突然やってくるものっていうの
忘れてた
ドンッ
●「おっとっ…」
どさりと倒れる、私
誰かとぶつかってしまったようだ
●「あの…大丈夫?」
私のことを気遣う台詞が耳に入り
手を差し出される
人とかかわることが大の苦手である私は
つい冷たい態度をとってしまい、不快感を与えることがよくあった
だから、避けてきた
まぁ、別に寂しいと思うことはなかったし
でも、せっかく差し出してくれた手を無視するのも…
差し出された手に自分のそれを重ねる
●「よっと…、うん、怪我はしてないみたいだね。よかった、よかった」
ぐいっとひっぱられて立ち上がる
ふわりとやわらかい風が頬をなでた
色だ
まだ薄くて消えてしまいそうだけれど
確かに
そこに
私の世界に
色がついた瞬間だった
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●は、颯くん台詞です。
しばらくはこれでいこうと思う。。
○は優香です