鬼と血の楔
□オモイデ
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真琴ともう一人の願イ人である東谷輝は生まれたころから病弱で床に伏せることが多かった。
真琴たちの役目は村の平治。
しかし、彼ら自身が病に身を犯せば、その地は毒と化す。
そして、「普通」ではない願イ人は互いの血では病を治すことはできなかった。
「ごめんね、真琴。僕が弱いばっかりに男の格好までして・・・」
「いいよ、いいよ。結構、気に入ってるし。輝の方が女装、嫌でしょ?」
「うーん…病に比べれば全然平気かな」
大丈夫だと笑ってみせるが真琴の目はごまかされない。それは輝も同じ、だが。
「そっか。私、たっくさんお金を稼いで、いい医者に診てもらうね!!」
じーんと温かいものが輝を包む。いつもの平和な日常・・・