libretto

□私とワルツを
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時計は動くのをやめ
奇妙な晩餐は静かに続く
何かを脱がすように
もうそろそろ口を閉じて
分かり合えてるかどうかの答えは
多分どこにも無い
「お嬢様…?」
「良いから、黙って踊っていろ」
「御意…たまには主従を忘れて、この様に戯れるのも悪く御座いませんね」
それなら身体を寄せ合うだけでも
優しいものは とても恐いから
泣いてしまう 貴方は優しいから

「お前は今まで、たった1人で…」
誰にも傷が付かないようにと
ひとりでなんて踊らないで
どうか私とワルツを

「さぁ…外は冷えますのでこちらを羽織ってくださいませ」
「あぁ」
この冬が終わる頃には
凍った鳥達も溶けずに落ちる
不安で飛べないまま
「本日も無事事件解決…さすが、女王の番犬ですね」
「まぁな…」
「どこまでもおそばにおります。最後まで」
あとどれだけ歩けるのだろう
きっと貴方は世界の果てへでも
行くと言うのだろう
全ての温度を振り払いながら
失う時が いつか来る事も
知っているの 貴方は悲しい程
それでもなぜ生きようとするの
何も信じられないくせに
そんな寂しい期待で
優しいものは とても恐いから
泣いてしまう 貴方は優しいから
誰にも傷が付かないようにと
ひとりでなんて踊らないで
不思議な炎に 焼かれているのなら
悲鳴を上げて 名前を呼んで
一度だけでも それが最後でも
誰にも傷が付かないようにと
ひとりでなんて踊らないで
そして私とワルツを
どうか私とワルツを

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